Home > スポンサー広告 > パンツの穴

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Comments: -

Comment Form
Only inform the site author.

Trackback+Pingback: -

TrackBack URL for this entry
http://artificialnight.blog63.fc2.com/tb.php/50-7a80c32b
Listed below are links to weblogs that reference
スポンサーサイト from 蘆花/松野泉

Home > スポンサー広告 > パンツの穴

Home > - > パンツの穴

パンツの穴

  • Posted by: 松野泉
  • 2009-01-28 Wed 13:08:45
  • -
最近の日課は家の近所を散歩する事だ。
「たまには外にでも出ておいで。まるで引きこもりみたいやで」
と妻が言うので、家を出る為の口実作りのようなものだ。
散歩といっても、特別行くあてもないので、町内を一周し、煙草の自動販売機を目的地にして、十分程で帰って来る。するとまた妻が、
「それは散歩じゃなくて買い出しや、河原を一時間程歩いてみたら良いわ」
というので、またしょうがなく家を出る。
何故こんなにも妻が僕を家から追い出したがってるのか、分からない。
とにかく河原を歩いてみる。
この街に住んで、もう26年が経つ、特別目新しい事もなく、河原も家もたいして変わりはない。
とはいうものの、やはり自然というのは良いものだ。なんとなく気分が晴れやかになる。
自宅に籠り、ノイズミュージックを聞いているよりはずっと良い。
最近は結婚式で流れるスライド映像を編集するアルバイトをしている。
写真事務所から請け負っているバイトなのだが、何故かほとんどが、ヤンキーカップルの出来ちゃった結婚で、彼等は決まって20才頃に一度破局し、再会し、子供を作る。
彼等は純粋なので、中学の頃に出会った女と結局は「お前しかおらへん」症候群にかかり、結婚する。スライド映像を編集していると、彼等が可愛らしい赤ちゃんから、無邪気な幼少期を経て、見事にヤンキーに成長していく姿を順を追って見られるので、何だか清々しいような気持ちになる。
ところで、散歩の帰り道、僕は不思議な出来事に遭遇した。
本当に漫画のような不思議な出来事で、僕はそれが起きた時、一瞬何が起こったのか分からなかったくらいなのだ。
「パンツが空から振って来た」
正確には、「パンツが一枚、僕の胸の辺りに飛び込んで来た」のだ。
最初は何が起きたのか分からず、視界に鳥のように飛来して来る物体の影が一瞬見えたかと思うと、次の瞬間、その物体は僕の胸に飛び込んで来たのだ。僕は「うっ」と短い悲鳴を上げると一瞬体を後ろに避ける。しかしその物体は僕の胸に追突し、そのまま地面に落下した。僕は「えっ?」と間の抜けた声で、誰に問うともない疑問を呟きながら地面を見た。
それはパンツだった。
ビラビラのついた、ヨレヨレの肌色のパンツが地面に不時着している。
河原を歩いていた僕は一瞬空を見上げる。
そこは橋の下でもなければ、近くに高い建物があるわけでもない、ただ大きな空。
青い空一面に千切れ雲が広がっていた。
僕はしばらくその場所で呆然と立ち尽くし、そのパンツを見つめた。
世の中には不思議な事がある。僕はそのパンツをポケットの中に詰め込み、その場を後にした。
スポンサーサイト

Comments: 0

Comment Form
Only inform the site author.

Trackback+Pingback: 0

TrackBack URL for this entry
http://artificialnight.blog63.fc2.com/tb.php/50-7a80c32b
Listed below are links to weblogs that reference
パンツの穴 from 蘆花/松野泉

Home > - > パンツの穴

タグクラウド
リンク
ブログ内検索

Return to page top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。