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恋の虜

  • Posted by: 松野泉
  • 2008-03-10 Mon 14:22:00
  • -
caravaggio_gerolamo00.jpg

ジャン・ジュネの恋の虜を題材としたダンス公演を京都造形大学で見た。
客席に入場する瞬間からいろいろな仕掛けがあり、非常に面白かった。
公演があった京都造形大学には市川猿之助が作った春秋座というハイテク歌舞伎舞台がある。
観客は入場する際、花道を通り、客席が白い大きなシーツで被われているのを横目に入場する。客席の白いシーツは死を予感させ、何となく不気味な感じがする。
客席は廻り舞台の中に設定されており、これが上演中に回転し、空間が移動しながら舞台は進行していく。
客席の前に立った観客は、自分が座る席を選択しなくてはならないのだが、ここにも仕掛けがある。この客席には中心がないのだ。
普通、映画館や劇場は左右対称につくられており、もし端にすわったとしても、視点を相対化し、中心を想定する事によって中心の視点で鑑賞する事ができる。
しかし、この客席は中心を想定する事ができない。そのため、客が座ったその場所からの視点のみでこの舞台を見続ける事になる。つまりその客席によって空間は独自に変容する仕組みになっている。
また、上演が始まって気付く事なのだが、客席は、舞台上の廻り舞台に設定されているので、その幕だまりや、舞台裏を舞台の内側から覗く事になる。これは非常に不思議な体験だ。上演後の舞台監督の話で、その舞台裏にあったコンクリートの柱がフェイクであった事や、はじめからそこにあったと思えるようなやり方で美術的配慮がなされていた事が分かるのだが、それに気付かず見ている上演中はリチャード・フライシャーの「ミクロの決死圏」の登場人物にでもなったような気持ちで、この不思議な歌舞伎舞台を彷徨った。
その舞台の中で繰り広げられたダンス、映像、亡霊達の不思議な儀式については今日は割愛する。
ただ、オープニングの、あの奇跡のように美しい瞬間についてだけは書いておきたい。
もの凄いスピード(止まりそうな程ゆっくり)で舞台に現れる女ダンサーの死ぬ直前の痙攣のような、機械的でありながら、何かに抗う運動として非常に生き生きとした不思議な舞踏のようなダンスを見ながら、いつの間にかコンクリートの柱の上に現れた映像(亡霊)を目撃し、客席を彷徨っていた(上演前はスタッフだと思っていた)ダンサーが舞台上にふらふらと現れた瞬間、その視覚の拡張としか言いようのない感覚の発見に涙が出た。
舞台上に仕掛けられた装置は音にまで影響し、足音や、舞台が動くその軋み、ダンサーの荒い息、様々な音要素が意味を剥奪され、舞台上に拡散している。非常に幸福な舞台だった。
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